文部科学省 平成29年度 大学の世界展開力強化事業 ~ロシア、インド等との大学間交流形成支援 ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成: 主に極東地域の経済発展を目的として

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Online Summer School 5日目

Online Summer Schoolの5日目となる8月13日には、昨日に引き続きロシアの専門家による講義を行いました。講義では、サハリンの経済振興や極東地域の歴史、極東連邦大学函館校の取り組み、日ロ経済連携の現状と課題が語られ、講義終了後には学生との間で活発な質疑応答が行われました。

 

最初に、サハリン国立総合大学のTo Ken Sik先生が講義。「Economic Development of Sakhalin Region」と題して、サハリン地域振興に向けて現在進められている経済政策の概要と将来構想を解説しました。最初に、天然資源が豊富で経済的にもオイル・ガス産業が占める割合が高く、貿易面では日本の比重が韓国に続いて高い現状を解説。近年ではロシア政府が、新たな産業として水産資源の養殖や農業、観光業の振興に力を入れており、日本企業や北海道を中心とした自治体との連携も進んでいることを紹介しました。そのうえで、人々がより快適な環境の中で健康的な生活を送り、それぞれの能力を向上させる政策も推し進められており、日本企業のさらなる参入余地も大きいと語りました。

 

続いて、Ksenia Yeremenko先生(極東連邦大学)が、「History of Primorsky and Vladivostok City」のテーマで、ロシア革命以前の沿海州とウラジオストクの歴史について講義しました。17世紀までにシベリア全域にロシア帝国の領土が拡大し、1901年にシベリア鉄道が開通すると政治・経済・文化のあらゆる面でシベリア地域が発展した紹介。また、1860年に開設されたウラジオストクはロシア中央部とアジアを結ぶ商業拠点として発展し、中国人・韓国人・日本人といったアジア人住民も増加していったことを説明。日本人商人がロシアの海産物を日本に輸出する一方、食料品やビールなどをウラジオストクで販売していたことや、日本人にとっては「最も近いヨーロッパ」として認識されていたことなども紹介しました。

3つめの講義では、Sergey Iliin先生(極東連邦大学函館校)が、「History of Establishment of Hakodate Branch of Far Eastern Federal University and cooperation with TOKAI Universities」のテーマで講義。1939年にウラジオストクが閉鎖都市となって以後初めて、本学の海洋調査研修船「望星丸」が88年に入港したエピソードや日本とロシアの交流に重要な役割を果たしてきたことを背景に、函館に学校が設立されたことを紹介。日本で唯一のロシア型高等教育機関である同校が提供している教育プログラムの概要や2008年に開設された函館ロシアセンターの活動についても解説しました。

 

最後の講義では、Yana Mishenko先生(モスクワ国立総合大学)が、「Russia – Japanese International Cooperation: Economic Aspects in the Framework of Asia Pacific Global and Regional Dialogue」について講義しました。北方領土問題を中心とした日露の外交関係と経済協力の歴史を概観したのち、2016年に両国首脳によって結ばれた「八項目の協力プラン」の意義や成果を説明。「政経分離」の原則のもと今後さらに経済交流を活性化させることの重要性や実現に向けた課題、方策などについて、地政学的な状況や国際情勢を踏まえながら解説しました。